1「国内公法の越境性」の一般理論の構築:解釈論・ツールボックス立法論・理念的立法論
科研費・基盤研究(A)(一般)2025年度~2029年度
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-25H00523/
本研究は,公法分野でも越境的法実現を法の通常の姿と捉え,例外的現象ではないとする立場にたちつつ,法理論,法制度論,戦略論の3側面から,公正かつ効率的な越境的法実現の指針を得ることを目指す。第一に,この現象を,国際公法でもグローバル公法でもない,国内法と国際公法の入会地というべき新たな法分野として法理論を構築し,第二に,その理論に基づき,越境的法実現を公正かつ効率的に進める法的手法について法制度設計上の工夫を集積し,第三に,他国のルールメイキングに波及効果を及ぼすことを目指したり(協調的法執行,ブリュッセル効果),企業間の私的秩序形成との役割分担をしたりといった,戦略的実施という視点も開発する。
2 行政法学における制度設計論の再構築と立法学の形成――政策構造・規制戦略・規制革新
科研費・挑戦的研究(萌芽) 2024年度 ~2026年度
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-24K21400/
本研究は,世界的に議論されている新たな規制手法(共同規制,媒介者規制,サプライチェーン規制等)や,日本で繰り返し議論されながら立法に至らない手法(行政による消費者被害回復,行政的没収等)などの立法上の課題について,日本行政法学がまったく貢献できていない現状に鑑み,行政法学における立法論(法制度設計論)の広角的な再構築を試みるものである。
これが成功すれば,立法過程に対して,経済学等とは異なる,法律学独自の寄与を扱う「立法学」の姿を,行政法上の手法に限ってではあるが,明確に描き出すことができる。
3 日本行政訴訟の抜本的改革のための研究
日弁連法務研究財団 2017年~(行政訴訟抜本改革のための研究)
平成16年の行政訴訟法改正では時間不足等の理由で取り上げられなかった問題がいくつもある。そのうち,理論的かつ実務上の重要課題でありながら,学説実務において十分に論じられることのないままに推移してきた重要問題(仮の救済の包括化,救済の多様化,執行,和解など)を,研究者と実務家のチームで共同して検討を進める。
故・滝井繁男元最高裁判事のご遺志に基づく研究である。
【滝井繁男基金・論文・実務の表彰】
公法,とりわけ行政法分野の優秀な若手研究者の論文,及び顕著な実務活動を顕彰する。
2019年度より開始。